おせん櫻の伝説
老神温泉の対岸、内楽に大きな桜の古木がある。これは内楽のさくらと呼ばれ利根村文化財の一つに指定されている。この櫻は一名おせん櫻とも呼ばれている。昔、東入りから他地域への重要な交通路として大間々道があったが、それは平川から千鳥を経て石上坂、そして森山から御座、大楊の大平を通って内楽、島古井、(しまぶり)穴原からこもぎの峠を経て根利へのコースであった。
これから島古井を通って穴原への山阪にかかろうとする内楽の小さな平らに一軒の茶店があり、ここにおせんと呼ばれる娘がいた。旅人はこの茶店に立ち寄ってしばらく休息したのであろうが、茶店の櫻大樹は、春は美しく花が開き夏は又旅人に涼しい陰を与えて、美しいおせんと共に旅人の憩いの場所あった。時は移って大間々道の交通は絶え、今は茶店のあとかたもないが、尚残る櫻の古木に昔を偲ぶことが出来よう。
と第九章・村の生活・伝説・伝承してある。
 
後書きですが
おせん櫻を偲んで、今は古木おせん櫻大樹は枯れてしまいましたので其の後に二代目おせん櫻を植樹いたしました。皆様に愛されるおせん櫻に育つように皆様の応援を得ながら育てたいと思います。

東明館